体温を測る時って体調を崩している時や、健康診断など病院へ行く前などに測る事が多いと思います。
コロナ禍なので、体調が悪くなくても毎日測っている方もいらっしゃるでしょう。
では、なぜ体温を測るのか?ですが、やはり体調のバラメーターで誰でも測れる最も身近な体調チェックの手段であるからです。
人の体は、場所によって温度が違います。
手足の先や顔の表面の温度は、季節や環境の影響を受けやすいため安定していません 。
一方、体の内部の温度は、脳や心臓などの大切な臓器の働きを保つために安定しています。
この体の内部の温度を「中枢(核心)温」といい、これを測れば、安定した体温が得られますが、体の内部なので、日常的に測ることは難しいです。
そこで、より体内の温度が反映され、体に負担をかけずに簡単に検温できる部位として、ワキ(腋窩)、口(舌下)、耳(耳内)、直腸などの場所が用いられています。
測定する部位ごとに検温に必要な時間や方法は異なり、得られる温度も異なります。
平熱も部位によって異なるため、それぞれの部位の平熱を知る必要があります。
つまり耳には耳の、ワキにはワキの平熱があるので、あらかじめ知っておくことが大切なのです。
正しい測り方
ワキの温度は、そのままでは「体の表面の温度」ですが、しっかり閉じることで温まり、体の内部の温度が反映されます。
十分に温まったときの温度を平衡温(へいこうおん)といい、これを測るのが正しい検温です。平衡温に達するには、ワキを閉じてから10分以上かかります。
この10分間は、十分にワキが温まるのに必要な時間で、体温計が温まるのに必要な時間ではありません。
検温中は動かずに、じっとしているのが基本です。
(1) ワキのくぼみの中央に斜め下から体温計の先端をあてます。
(2) 体温計が体軸に対して30度くらいになるように角度を調節して、ワキをしっかり閉じます。
(3) 平衡温になるまで、水銀体温計や「実測式」体温計は10分以上、「予測式」なら電子音がなるまでじっとしています。
途中で体温計を取り出したら、最初からやり直しです。「予測式」では、すぐにくり返し検温する場合は、少し時間をあけてください。
測る前の注意
◆飲食や入浴、運動などの後、および外からの入室後30分間は検温に適しませんので避けてください。◆測る前には、必ずワキの汗はしっかりふき取りましょう(特に子どもは汗っかきなのでご注意ください)。体温計の検温法の違いによる体温値への影響は、例えば正しいとされる「斜め下」からと比べて、「真横」からでは約0.3度低い、(つまり正しい平衡温を測れていない)という結果があります。
平熱とは
体温には、年齢による差があります。個人差もありますが、子どもはやや高く、高齢者はやや低めです。
また、乳幼児は熱産生が活発ですが、体温調節機能がまだ十分に発達していないため、熱放散がうまくゆかず、日常生活でも体温が高めの傾向があります。
さらに、体温は、熱が出る病気にかかっていなくても、運動、時間、気温、食事、睡眠、女性の性周期、感情などにより変動しています。
人には、朝・昼・夜と、24時間単位に体温が変化する体温リズムがあります。
1日のうちで早朝が最も低く、次第に上がり、夕方に最も高くなります。
さまざまな条件で変動する体温。その平熱の範囲を知ること、時間を決めて平熱を把握することが、体調管理に大きく役立ちます。
日本人の体温の平均値は、36.89度±0.34度(ワキ下検温、10~50歳の男女3,094名、検温時間30分)とされており、36.6~37.2度の間に入る人が、全体の概ね68%を占めます。
つまり、平熱が37度くらいの人もそれなりにいるということです。
一方、高齢者の体温は約0.2度ほど低く、36.66度±0.42度とされています(65歳以上男女2,470名)。また、一般的に1日の体温リズムによる変化は、通常1度以内におさまります。
測定部位、測定法によって、得られる温度は異なるため、平熱は常に、同じ測定部位、測定法によって測る必要があります。
このように、体温には個人差があり、一概に何度以上が発熱と決めることはできません。
それぞれの人が、元気なときの平熱と体温リズムによる変化の幅(日によって、または時間によっての差)を予め確認しておき、それ以上の温度上昇をもって、発熱と考えるべきでしょう。
平常時の体温より0.5~0.7度の温度上昇をもって、発熱と判断するとする文献もあります。
ちなみに感染症法では、37.5度以上を発熱、38.0度以上を高熱と分類しています。
平熱の測り方
平熱の測り方として、起床時、午前、午後、夜の計4回体温を測り、この体温値を時間帯ごとの平熱としておぼえておくとよいといわれています(ただし、食後すぐは体温が上がりますから、食前や食間に検温するのが適切です)。
平熱の測定は、体調の良いときに、1日だけでなく、日をあけて何日間か測ってみるとよいでしょう。
体温は、誰でも測れる最も身近な体調チェックの手段です。
正しく測定して、より有効に体温を活用し、健康管理に活かしてください。
お仕事探しは、ACS介護求人センターまで!
友だち登録の上、転職・就職に関するご相談はお気軽にご連絡くださいね。