日本人はお風呂好きと良く言われていますが、その中でも特に温泉が好きという方も多いのではないでしょうか?
もしかしたら、普通のお風呂は好きではないが、温泉は入りたいと言う人もいるのではないかと思うくらい温泉が好きな人は多いと思います。
そんな温泉好きな方に温泉「うんちく」を少しお伝えしようと思います。
①温泉の定義
温泉は、昭和23年に制定された「温泉法」により、地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く。)で、摂氏25度以上の温度又は指定された物質を有するものと定義されています。
最近温泉が増えてきている背景には、深く掘るほど、地熱で地下水は温かくなるので「1千メートルも掘れば、その地下水は温泉の定義にまずあてはまる」ようです。
②温泉の種類
温度による分類の場合
冷鉱泉 25℃未満
低温泉 25~34℃未満
温 泉 34~42℃未満
高温泉 42℃以上
一般的に入浴でもっとも気持ちの良いと言われる風呂の水温は42℃と言われているため、温泉地の大浴場はほとんど42℃前後に設定されています。
そこで、「冷鉱泉」「低温泉」「温泉」は加熱しなければならない場合がほとんどです。
「高温泉」がもっとも温泉らしく感じられると思います。
また、源泉の温度が高いほど、効能成分が濃い(成分が多い)傾向にあり、お湯が熱いとお茶が濃くりやすかったり、砂糖がとけやすかったりするのと似た原理です。
では、「高温泉」だけが優れているのかというと、熱すぎると肌への刺激が強すぎたり、適温に冷ますのに時間をかけなければならなかったり、加水する必要もあります。
ぬるい湯に長くつかりたい方は、「温泉」を選べばよいですし、刺激に弱い方は、適温に加熱した「冷鉱泉」「低温泉」を選べばよいです。
どれが優れているかというよりは、好みに応じて温泉を選んでください。
浸透圧による分類の場合
低張泉 等張液より浸透圧の低いもの(8g/kg未満)
等張泉 等張液と同じ浸透圧を持つもの(8~10g/kg未満)
高張泉 等張液より高い浸透圧を持つもの(10g/kg以上)
【等張液とは、人間の身体を作っている細胞液と等しい浸透圧を持つ液体をいい、例えば、8.8gの食塩を1リットルの水に溶かした食塩水に相当する圧力の液体になります。】
浸透圧は、薄い溶液の水分が、濃い溶液の方に流れます。
また、水分だけでなく、溶解物質も通す場合は、濃い溶液の溶解物が、薄い溶液の方に移ろうとします。
肌は、温泉の効能成分を浸透させることができるので、理論上は、「高張泉」の方が、成分を体に吸収しやすいことになります。
「低張泉」は、サラサラしたやさしい湯という傾向があり、理論上は、温泉の水分が体に吸収されやすいということになります。
低張泉の温泉で長湯すると皮膚がふやけやすいですが、梅干しのように水分が無くなってシワシワになるのではなく、その反対に皮膚の表面からいくらか水が浸透して、皮膚のごく表面の部分だけ伸びる一方、その下の部分は、変化がないのでしわができてしまいます。
つまり体に水分を与えているのです。
「高張泉」は、理論上、温泉成分が肌に浸透しやすい特長を持っています。
水素イオン濃度「ph値」による分類の場合
強酸性泉 pH2未満
酸性泉 pH2~3未満
弱酸性泉 pH3~6未満
中性泉 pH6~7.5未満
弱アルカリ性泉 pH7.5~8.5未満
アルカリ性泉 pH8.5以上
温泉は水素イオン濃度によるph値で上記のように分類されます。
一般的に、酸性度が高い酸性泉は殺菌効果があり、皮膚病に効きやすいとされています。アルカリ度が高いアルカリ性泉は肌の角質をとる美肌効果があるとされています。
また、中性泉は、肌に優しいです。
泉質による分類の場合
「単純泉」「塩化物泉」「炭酸水素塩泉」「硫酸塩泉」「二酸化炭素泉」「含鉄泉」「硫黄泉」「酸性泉」「放射能泉」
泉質は、上記の9種類に大別され、さらにイオン名との組み合わせにより細分化されます。
正式な泉質名は、陽イオン(プラスイオン)と陰イオン(マイナスイオン)の組み合わせによります。
例えば有馬温泉の金泉は「含鉄ナトリウム塩化物強塩高温泉」と呼ばれています。
効能を一言でいうと・・・ |
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単純温泉 |
「家族の湯」 高齢者、子供にもやさしい湯 |
アルカリ性単純温泉 (単純温泉) |
「美肌の湯」 |
塩化物泉 |
「温まりの湯」 湯冷めしにくい
「傷の湯」 塩分の殺菌効果 |
炭酸水素塩泉 |
「美肌の湯」「清涼の湯」 |
硫酸塩泉 |
「傷の湯」「脳卒中の湯」 |
二酸化炭素泉 |
「心臓の湯」 |
含鉄泉 |
「婦人の湯」 貧血、月経障害、更年期障害など女性にみられやすい症状に効く |
硫黄泉 |
「生活習慣病の湯」 高血糖、動脈硬化、高血圧などに効く |
酸性泉 |
「皮膚病の湯」 殺菌効果 |
放射能泉 |
「痛風の湯」「万病の湯 |
ほとんどの温泉では、温泉分析表を掲示しています。上記の効能を参考にしていただき、少しでも温泉を楽しんでいただければと思います。
(参照 環境省HPより)
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