今年4月から75歳以上の後期高齢者を対象に、要介護になる手前の状態かどうかを判断する
「フレイル健診」が始まりました。
そもそもフレイルとは・・・
フレイルは「虚弱」を表す言葉で、日本老年医学会が2014年に提唱した概念で、加齢によって身体と心の活力が低下した状態のことです。
具体的には、
加齢に伴う体重の減少や筋力の低下といった「身体的な衰え」
認知症やうつなどの「精神・心理的な衰え」
引きこもりや経済力の不足などの「社会的な衰え」
が挙げられます。
これらはそれぞれ「身体的フレイル」「精神・心理的フレイル」「社会的フレイル」と呼ばれます。
フレイルは健康状態と要介護状態の中間に位置し、多くの場合フレイルを経て要介護状態になります。
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健康 ⇔ 虚弱状態 ⇔ 要介護状態
(フレイル)
後期高齢者の方は前期高齢者(65歳~74歳)と比べてフレイルの進行が顕著になるといわれています。
従来の健診の質問票では、肥満対策が中心の特定健診(メタボ健診)と同じ内容でしたが、
厚生労働省が75歳以上の後期高齢者に特化しフレイルの早期発見に重点をおいた内容に刷新し、今年4月から各地で使われ始めています。
新たな質問票は、高齢者の質問票の健康状態を総合的に把握できるよう、
・今日が何月何日かわかるか
・家族や友人との付き合いがあるか
・1年間に転んだことはあるか
・1日3食きちんと食べているか
など、「健康状態」「心の健康状態」「食習慣」「口腔機能」「体重変化」「運動・転倒」「認知機能」「社会参加」「ソーシャルサポート」で構成されています。
回答結果は医療や介護履歴などの記録をまとめた「国保データベース」に登録。健診結果なども活用しフレイルの恐れがある高齢者を判断します。
対象となった高齢者は自治体の保健師らが自宅を訪問し、生活指導や医療機関の受診につなげるのが主な流れとなっています。
今年は新型コロナウイルスの影響で外出機会が減り、家に引きこもりがちな高齢者が増えているようです。過ごしやすい季節にはいりました。
コロナと上手につきあいながら、週に1回程度から近所を歩いてみたり、秋のおいしいものを食べて1日3食の楽しみを見つけるなど、少し意識しながら生活をすることで、「健康寿命」を延ばしていくことに繋げていきたいですね。
参考資料/日本経済新聞