普段は特別養護老人ホームや有料老人ホームなどの施設で暮らしているお年寄りも、年末年始は一時帰宅し、家族と一緒に新年を祝うことも多いものです。
施設での生活がいくら快適なものだとしても、大切な家族に囲まれて過ごすひとときは特別なものです。
お正月を指折り数えて待つようなお年寄りだって珍しくありません。
ただ、介護が必要となったお年寄りにとって、生活環境が変わる一時帰宅は様々なリスクが伴うことも事実。
今回は家族としてそんなお年寄りの一時帰宅を受け入れる際の注意点について、ご紹介します。
1.まずはしっかりとした健康管理を
抵抗力の少ないお年寄りにとって、冬は体調を崩しやすい季節。
風邪やインフルエンザといった感染症には特に注意が必要です。
一時帰宅の予定が決まったら、お年寄り本人だけでなく、家族も手洗いやうがいをこまめにするなど、健康管理に気を配りましょう。
うっかりインフルエンザなどに感染させたまま施設に帰してしまうと、他の入居者たちにも感染させてしまい、大きなトラブルになる恐れもあります。
2.安心して過ごせる住環境づくり
介護施設は、入居者が安全に暮らせるように温度管理や段差の解消といった住環境の整備に力を入れています。
そうした場所で暮らしているお年寄りにとって、自宅には細かな危険がいっぱいです。
「もともと暮らしていた家だから」と油断せず、できるだけ施設との環境の変化が少なくなるように気をつけましょう。
・室温が一定に保てるよう、十分な注意が必要です。特に、トイレや浴室の温度には気をつけましょう。
・荷物などはできるだけ片付け、お年寄りにとって安全な動線を確保しましょう。
・トイレのスリッパは裏に滑り止めが付いたものに変えておきましょう。
また、トイレが部屋から遠い場合は、ポータブルトイレなどの利用も検討すると良いでしょう。
・脱衣場と浴室の温度差には特に注意が必要です。あらかじめ浴室内を暖めてから入浴させてあげてください。
・自宅内の段差を解消できない場合は、お年寄りがその近くに行った際、家族が声をかけ、注意を促しましょう。
3.コミュニケーションは積極的に
健康管理や住環境に気を配ることも大切ですが、最も重要なのは、コミュニケーション。
施設の職員の方々がどれだけ頑張っても、長い年月をともに過ごしてきた家族の代わりはできません。
家族ならではの思い出話などで、楽しいひとときを送れるようにしてください。
たとえ認知症が進んだお年寄りでも、家族の温かい笑顔は伝わります。
親元を離れて暮らしたことのある人なら、お盆や正月などに帰省するたびに、親が歓迎してくれた経験があるのではないでしょうか。
今度は、あなたがお返しをする番です。
大切な家族を迎えるために今回ご紹介したような対策を行うこと自体が、あなたにとっての喜びとなれば良いですね。
色々注意点もありますが、素敵な年末年始を過ごしてくださいね。
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